イタリア新作ヴァイオリン Andrea Zanre 2018 販売

2023/01/08
イタリア新作ヴァイオリンAndrea Zanre

イタリア、パルマ産の新作ヴァイオリンAndrea Zanre 2018

新作ヴァイオリンの中で最良の音、最高のパフォーマンスを示すことは間違いありません

イタリア新作ヴァイオリン  

税込販売価格:3,300,000円

 

イタリア、パルマと聞いて、多くの人の頭に思い浮かぶのは有名なチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノであったり、生ハム、プロシュット・ディ・パルマなのではないでしょうか。 想像するだけで思わずよだれが出そうですが、しかしヴァイオリン愛好家としてはそれではいけません。
決して忘れてはいけないのが巨匠Gaetano Sgarabotto (ガエタノ・ズガラボット)が創設したパルマ弦楽器製作学校のことです。その学校は後に、Renato Scrollavezza(レナート・スクロラヴェッツァ2019年没)に引き継がれ、ボローニャ、ミラノ、パルマのいわゆるモダンイタリアの弦楽器製作の伝統を守ってきました。

 

ご紹介いたしますこのヴァイオリンの製作者Andrea Zanre(アンドレア・ザンレ)はパルマ弦楽器製作学校で直接スクロラヴェッツァの教えを受け、現在はスクロラヴェッツァの娘であるElisa (エリーザ)とともに、Renato Scrollavezza(レナート・スクロラヴェッツァ)の工房を引き継いでいます(Scrollavezza&Zanre)。また、ElisaとZanreはレナート・スクロラヴェッツァの引退した後には、レナート・スクロラヴェッツァ製作学校(パルマ弦楽器製作学校)で教壇に立ってもいます。

 

これは私見ですが、ザンレの楽器はレナート・スクロラヴェッツァの影響がそう強くないような気がいたします。当然ですが血のつながった娘のエリーザはレナート・スクロラヴェッツァのようにモダンイタリーを思わせるようながっちりした造形であり、またそのような逞しい音のように思います。
一方のザンレの楽器の方はもっと軽く、繊細な造りです。 ザンレはAmati(アマティ)、Stradivari(ストラディヴァリ)、Guadagnini(グァダニーニ)などイタリアオールド楽器の研究者でもあります。そしてその研究はX線撮影なども含む、楽器の内部構造にまで及んでいます。Sgarabotto 、Fiorini、 Bisiach等のモダンイタリアの巨匠からの影響も受けつつ、彼の興味の多くは、もっと古いオールド名器に向けられているのではないかと、彼の著作、出版物などを見ると強くそう思います。


軽いと言いますと、スカスカで密度の低い材料を使った柔らかいけれどもどこか芯の無い音を連想しますが、このザンレのヴァイオリンはその想像とは全く違った音、良い意味で全く裏切られた音がします。 軽く作るつまり板を薄く削るか、軽い柔らかな材料、密度の低い材料を使うと、低音は豊かになり、弱音は出しやすくなりますが、反面、レスポンス(発音)が鈍く感じたり、強く弾いた時に音が前に出てくれなかったり、音に芯が無くなる傾向にあります。 ザンレのヴァイオリンがそうならないのは、軽いけれども密度の高い、強い材料を相当吟味したうえで製作に使用しているのではないかと考えます。以前見た彼の作ったチェロも恐ろしく軽かったので、そういう材料選びをしているのではないかと思います。 ですから、レスポンスの速さと音の深み、輝かしさと落ち着きと、普通なら相反するものを同居させることに成功したのです。

まずはこのヴァイオリンの驚くべき軽さを感じてみて、そしてその音の深みと相反する輝かしさを是非試奏にてお確かめください。