憧れの音色のオールドヴァイオリン でも購入には注意が必要です

2022/04/13
オールドヴァイオリン

誰もが憧れるオールドヴァイオリン。でもご購入には細心の注意が必要です

オールドの音がする?というのは実は勘違いかもしれません

 

何故皆さんオールドヴァイオリンに憧れるのか?それはオールドヴァイオリンの音色への憧れがあるからなのではないでしょうか。

 

開放弦が、柔らかみがあって、優しい深みのある音で響いたとしてもそれだけで安心してはいけません。ヴァイオリンの開放弦というのは、ヴァイオリンに最も負荷がかからない状態なのです。つまり、最も板が振動しやすい、響きやすい、鳴りやすい音なのです。

そんなヴァイオリンにとって楽な音が柔らかく優しく響いて聴こえている時というのは、本当のオールドヴァイオリンの醸し出す音ではなく、傷んだ楽器、劣悪な修理により本来の力、音量が出なくなってしまった楽器。表板がもともと薄すぎるか、鳴るようにと後から薄く削られ過ぎてしまった楽器などが持つ、ただ弱い音、エネルギーが減少した音なのかもしれないとまず疑うべきなのです。

 

本来はあってはいけないことなのですが、腐りかけの肉と熟成した肉が混在しているのがオールドヴァイオリンの世界。低価格で販売されているものは、上記のようなどこか問題を抱えている楽器を何とか修理して売っているものが少なくありません。そのヴァイオリンの音が柔らかい音、優しい音と感じても、それは開放弦だけのこと。G線やD線のハイポジションを弾いた時に、音の立ち上がりが悪かったり、音量が出なかったりと、つまり楽器に負荷が大きくかかった時にとたんに馬脚を現してしまうのです。

 

開放弦は良い音色だったと思ったのに、フォルテで弾こうとすると音が前に出ないでこもったまんま、もっとしっかり大きな音で弾いてと先生から言われる。音の立ち上がりが悪く早い細かい動きがもやもやして聴き取りにくいと人から言われる。低音は響くが、高音が霞がかかったように抜けが悪い音しか出せない。

 

そのようなケースは、みな開放弦を弾いて、つくりが悪いヴァイオリン、傷んだヴァイオリンの出す不健康な音を、これがオールドヴァイオリンの音なのだと勘違いしてしまったからなのです。

 

演奏家、名手が持つ真のオールドヴァイオリンの音は優しさ、柔らかさだけではありません。2000人収容のホールで100人のオーケストラをバックに協奏曲をPA無しで弾いて聴かせる、それだけ音が前に出るパワー、エネルギーを持っているのです。傷んだヴァイオリン、寸法、プロポーションがおかしかったり、隆起に特徴がありすぎる楽器、板を削られ過ぎた楽器それらを何とか直したただ古いだけのヴァイオリン。つまり腐りかけた肉のようなものですが、それらは30万円でも50万円でも売られているかと思います。ただ、もちろんそれらはオールドの音を出してくれるわけでもなく、何より道具としての資質を大きく欠いています。ですから最も手を出してはいけない種類の楽器だと言えるでしょう。

 

傷んだヴァイオリン、寸法、プロポーションがどこか変だったり、隆起に特徴がありすぎる楽器。また後の修理で板を削られ過ぎた楽器。それらのただ古いだけのヴァイオリン、つまり腐りかけた肉のような楽器、世の中では30万円でも50万円でもたくさん売られているかと思います。ただ、もちろんそれらはオールドの音を出してくれるわけはく、何より道具としての資質を大きく欠いています。道具としてダメということは、それでいくら一所懸命に練習しても上手くなれないということを意味します。ですから最も手を出してはいけない種類の楽器だと言えるでしょう。

 

何もオールドヴァイオリンに限ったことではありませんが、音を出す前に、まずは楽器のつくり(隆起、板の厚み、製作精度)、修理の程度などが問題無いかどうか(本当はそれは販売店がきちんとしていなくていはいけないのですが)を確かめたのちに初めて音を出してみるべきです。やみくもに音を出して比べてしまってはいけません。音を出す必要の無い楽器、音を出す価値の無い状態、つくりの楽器までも音を出して比べてしまうので、きちんと選べなくなってしまうのです。

 

今回ご紹介いたしますのは、もちろんそんな不健康な、道具として不適切な楽器ではありません。そして、だからと言って500万円も600万円もするようなヴァイオリンでもありません。

 

ですが、実際なかなか100万円前後で、良いつくり、良い状態、そして古い楽器の良さを保ちながら、健康的な音を持つ楽器をご案内するというのは、そう頻繁にできることではありません。

 

まずは試奏にて、暖かく深みのあるG線の余韻、そして協奏曲のソロにも耐えうる音量、高音の抜けの良さをぜひ体感なさってください。

 

 

オールドヴァイオリン(Klotzラベル)Ca.1800

税込販売価格:1,320,000円

 

オールドヴァイオリン オールドヴァイオリンの高い隆起

オールドヴァイオリンスクロール

 

弦楽器サラサーテは厳選されたオールドヴァイオリンのみをお届けします。

年代、国籍、製作者の知名度、価格などに惑わされない、間違いのない楽器の選び方、正しいヴァイオリンの選び方を知ることが大切です。

弦楽器サラサーテは楽器というモノを売るのではなく、選び方という「考え方」を皆様にお伝えします。