バイオリンの弦の選び方・ナイロン弦の定番Dominant(ドミナント)編・Thomastik Inferd 社

2018/04/28
バイオリン弦 ドミナント(Dominant)

バイオリンの弦の選び方

 

迷ったときはまずこれを試してみればOK,、ナイロン弦の定番ドミナント

 

弦の種類は大きく分けて

 

1)スチール弦
    芯も周りの巻き線も金属

 

2)ナイロン弦

    芯は化学繊維で周りの巻き線が金属

 

3)ガット弦

    芯は羊の腸の繊維で周りの巻き線が金属

 

の3種類があります。このうち、クラシック系で使われているのが2)と3)で、とくに最近銘柄も増えて、種類が豊富になってきているのが2)のナイロン弦です。
初心者からプロ奏者まで2)のナイロン弦は広く使われています。
 

今日はそのナイロン弦の代表選手、ナイロン弦の定番とも言えるドミナントとその使いこなしのポイントについてお話したいと思います。

 

ヴァイオリン弦で最も世界中で広く使われている弦と言えば、まずドミナント(Dominant)でしょう。

 

そのきっかけは、おそらく著名なバイオリニスト、イツァーク・パールマンも使っているということで、広まったのではないでしょうか。
どの業界でも広告塔は大きな役割を持ちますね。

 

プロ奏者はコンサート中に弦が切れてしまわないこと、音程が狂いにくいこと、湿度等の影響を受けにくいことなど、扱いやすさを重視しますが、その点でドミナントは最適だったのではないかと思います。

 

それまで主流だったガット弦に比べて、切れにくい、湿度の影響を受けにくいなど、メリットが大きかったからです。
もちろん、いくら使いやすくても音が悪かったら決して使われないはずで、音も充分に良く、先の特性上、安定しているということが大ヒットした要因でしょう。

 

また、世界中で普及したおかげでもあると思いますが、比較的安価で、たいていの店にはおいてあるという、入手のしやすさ、買いやすさもあり、その点はアマチュアの奏者にとっても有難いことだと思います。

 

バイオリン本体と弦との相性というのも無くは無い話ですし、音の好みというのもあるかもしれませんが、もともとつくりの悪いバイオリン、健康状態の悪い楽器、量産バイオリンなどにいくら高級な弦を試してみてもたかがしれています。
ドミナントを張ってみて、そこそこの音がしないバイオリンは、どんな高い値段の弦を使ってみてもまずダメだということで、そのような行為は、お金の無駄使い、単なる自己満足に過ぎないでしょう。
先に申し上げたパールマンだって数億円のストラディヴァリにこの安価なドミナントを張っているのですから・・・

 

ところでドミナントというのは会社の名前ではないのです。この弦を作っているのは、オーストリアの会社で、トマスティーク・インフェルト社(Thomastik Inferd )というところです。その銘柄名、製品名のひとつがドミナント(Dominant)というわけなのです。

 

そのドミナントのバイオリン弦ですが、D線の材質(巻いている金属)が2種類あるのはご存知でしたでしょうか?

 

実は巻いている金属の違いで、アルミ巻とシルバー巻の2種類があるのです。

 

この2種類のドミナントのバイオリン弦、D線の使い分けで、結構バイオリンの音は変わります。D、Gの音の滑らかさ、音の深さ、つながりの良さを求めるなら、D線シルバー巻を是非試してみて下さい。

 

普通何も言わずにD線を買うと、おそらく高い確率でアルミ巻の方を売られてしまうので、シルバー巻が欲しいときは、「D線はシルバーで」と頼みましょう。

 

因みにG線はシルバー巻きしかありませんし、A線はアルミ巻きしかありませんから、ただ「G線ください」「A線ください」だけで大丈夫です。

 

次に、E線についてですが、ドミナントのヴァイオリン弦、E線はあまり使われません。
私に限って言えば、まずほとんど使うことはありません。

 

何故か世間一般でもそんな傾向が強いですね。なぜか人気が無いのです。

 

ですから、ドミナント弦は買う時は、D線の材質に気を付けること、セットで買ってしまって、E線まで買わないことかと思います。


D線のアルミとシルバーの違い、ドミナントに組み合わせるのにお薦めのE線の銘柄等については下の動画でお話します。