中国製完全手工品、新作バイオリン2台を試奏してみました

2019/01/17
中国製新作手工バイオリン

ほんの簡単に音を出しただけですが、中国製新作バイオリン2台を試奏してみました

 

中国製の新作バイオリンですが、いまだにバイオリンはヨーロッパ製でないととか、中国の製作技術、品質に疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

 

ただ、いろいろなところで申し上げていますが、バイオリンの製作には大変な手間(労働力)が入ります。日本やイタリア、ドイツ、フランス等ヨーロッパのような人件費の高いところで製作したら、1台少なくとも60万円~80万円の値段は付くでしょう。これは自国で購入できたらという但し書き付きですので、ヨーロッパから輸入するとなると、諸経費やら、またそれがイタリアからだったりするとプレミアムが付いて100万円~200万円という価格になってきてしまいます。そして有名製作者になるとそれがさらにプレミアム価格になりますから、新作でも300万円~500万円といったことになるのです。

 

それではヨーロッパ製で20万円だ30万円だと言って売られているバイオリンはどういったものなのでしょうか?

 

その実態は「量産品」です。

 

20万円で作る、30万円と決めたからその値段で作れるのです。

言い換えると、その価格でできることしかしないのです。

それは、表板、裏板をプレス加工したり、削り出しでも機械であらかた済ませたり、ニスを刷毛で塗らずに、スプレーで拭きつけたり。

もちろん、材料も良いものは使えません。

 

ですから、ご予算が十分にある場合は、もちろんヨーロッパ製のバイオリンもおすすめいたしますが、50万円~60万円以下でバイオリンをお探しになられるというような場合は、伝統的な工法で丁寧に時間をかけて作られても、ヨーロッパや日本よりも労働力が安いために、出来上がった楽器の価格を抑えられることができる、中国製の楽器の中からお選びになるのが、最大に賢い選択になるといえるでしょう。

 

もちろん、これは完ぺきな手工品となるために、個体差が生じやすくなります。ですから販売する側は十分に吟味して選定する必要があります。

 

いくら安いからといって、ネットオークションの美辞麗句につられて中国楽器を購入してしまわれたりすると、きちんとした選定が行われていないことがありますから、十分にご注意が必要です。

 

弦楽器サラサーテは中国製の弦楽器をここ30年間ずっと見続け、選んでまいりました。ですから、その長所、欠点などをすべて知り尽くしていますので、皆様に良いものだけをお届けすることができるのです。