11月2日(金)に九段下、科学技術館で開催された 2018弦楽器フェアに行って来ました

2018/11/08
弦楽器フェアでバイオリンを試奏

11月2日(金)に九段下、科学技術館で開催された 2018弦楽器フェアに行って来ました

 

毎回この弦楽器フェアに行って疑問に思うことですが、この会場でバイオリンの音を出して試奏してみて、本当に楽器の音がわかるか?ということです。

 

まず普段とは違う場所で音を出すということ、そして、周りでは沢山の人が試奏していますので、その騒音?の中で本当に自分が弾いているバイオリンの音を聴き取り、その良し悪しを判断することができるか?という疑問です。

 

この科学技術館に限らず、いつもとは違った場所(ホール、練習室、他人の家等)でバイオリンを鳴らしてみると、いつもとは違った音に聴こえ、しばらく耳が慣れないことが良くあります。

 

まして、この場所では自分の楽器ではない、普段は触ったことも弾いたことも無い楽器を弾くわけですので、場所に慣れていないことに加え、楽器を知らない、慣れていないという、これまでに体験していない未知なことが二つも重なってしまっているのです。

 

いつもとは違った場所で弾く、慣れていない場所で弾く場合はモノサシとなるものがあればまだ救いになります。

 

最も頼りになるのは、モノサシとなり得るのは、普段自分がお使いのバイオリンということになります。
ご自分のバイオリンと、展示されているバイオリンとを比較できれば、場所がいつもとは違った慣れていないところであっても、そこでの自分のバイオリンの鳴り方がわかれば、別のバイオリンの音を判断する際に、それを基準に場所に因る聴こえ方の違いをある程度は補正して判断できると思うのです。

 

しかしながら、おそらくすり替えなど、盗難防止のためでしょう、ご自分の楽器、弓の会場内の持ち込みは禁止されているのです。

 

まあ、それは当然と言えば、当然とも言えると思います。動画を視ていただければおわかりになられと思いますが、殆どの楽器は、ショーケースにカギがかかって入っているわけではなく、ただスタンドに置いてあるだけです。ですから、誰に断わることもなく、誰もが事由に楽器を手に取って、触ったり音を出したりすることができるのです。
また警備員が、いちいち楽器ごとに立って監視しているいるわけではありませんし、この混雑ぶりですので、もしご自分の楽器をケースごと持ち込んで、自分の楽器と弾き比べをしている間にバイオリンをすり替えてしまっても誰も見ていないということになるでしょう。

 

ですから、セキュリティ上自分の楽器を持ち込んで比較して試奏することができないのは致し方ないのかと思います。

 

しかしながら、会場を回って皆さんの様子を見ていると、周りの試奏の音でうるさいから、弾いても自分の音が何も聴こえない。だから自分もより大きな音で弾くという悪循環を生んでいるような気がいたします。
いきなり、フォルテッシモで、また早い曲、難曲を弾かれても、楽器の方がびっくりします。
まずは楽器の良く響くポイント、それはそれぞれ楽器によって微妙に違いますので、それをそれぞれの楽器なりに探りながら、楽器もウォーミングアップをしていかないと、本当の楽器の性能、実力は判断できないと思います。

 

ただ、上記のように、優しい音で、ゆっくりとウォーミングアップなどしていたら、自分の音が全く聴こえないことになるので、皆して名人芸を披露することになってしまうのでしょうかね。

 

それでは、私は何をしているのか?お前は音を出さないのかバイオリンを弾かないのか?と言われるかもしれません。全く会場で弾かないことはないのですが、ほとんどは楽器のつくり例えば、隆起のつくり方、f字孔の切り方、ニスの塗り方、質感などを見て歩いています。

この場所、この環境の中で音を出して楽器の良し悪し、バイオリンの性能の良し悪しを判断するのは私にとっては不安だらけだからです。