バイオリンの色の違い、音とは関係あるのですか?・バイオリンを選ぶとき迷わないように

2018/08/19
色の好み、色の好き嫌い

バイオリンの色の違い。それはそのバイオリンの出す音に影響を与えているのでしょうか?

 

皆さまからのご質問で、「バイオリンの色と音は関係あるのですか?」というようなご質問をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、バイオリンの色と音の関係性、関連性は全くありません。

 

バイオリンの色の違い

 

 

 

バイオリンの色が違って見えるのは、塗られるニスの色の違いに因ります。ニスの中に入っている成分(色素)の違いによって、バイオリンの色が違ってくるのです。

 

その他は経年変化によっても色の変化がございます。
ニスが酸化して濃い色になったり、黒ずんだり。逆に赤い色素が飛んで褪色して、色が薄くなる場合もあります。

 

オールド楽器の持つニスの複雑な味わいは、使用でニスが剥げ落ちた部分をその都度修復し、その補修した部分がまた周りと違った経年変化、色の変化を起こすということの繰り返しで起こってきます。100年、200年という単位でそれが繰り返されて、えも言われぬ雰囲気、味わいを生むのです。

 

また、ニスを通して見えている材料(木材)自体も外に出していれば、徐々に光線で焼けて濃い色に変化していきます。これはニス自体の変化ではありませんが、結果的にバイオリンの色を変化させます。

 

ですから、バイオリンを選ぶときには最初に色の好みで絞り込んでしまうのではなく、先ずは本体のつくりや性能、そして古い楽器の場合は健康状態等、つまり客観的な基準によって選別され、その後に音の好み、色の好みなどつまり主観的な基準を交えて選ぶべきでしょう

 

【まとめ】

バイオリンを選ぶ際、購入の際には、色の好みで最初から選択肢を狭めないようにしましょう。
製作者の意図(ニスの処方)や経年変化によって、バイオリンの色が違っているだけでニスの色と音とは全く無関係です。
もちろん、最終的には色の好みを入れて絞り込む、選んで購入していただいて構いません。