私がイタリア以外の国籍のバイオリンの選択、ご購入をお薦めする理由

2018/08/06
イタリア以外の国籍のバイオリン

私がイタリア以外の国籍のバイオリンをも含めてお選びになること、ご購入をお薦めする理由

 

その理由は色々あげられますが、まず購入していただく価格が大変リーズナブルであることがまず第一に挙げられます。

 

イタリア人がイタリアで作った、あるいはイタリア人でなくてもイタリアで作られたというだけでバイオリンの値段は、そのつくりの出来不出来、音の良し悪しの如何にかかわらずかなり高いものになってしまいます。

 

イタリアで生まれ、イタリアで育ち、イタリアでバイオリンを作れば、どんなに下手くそであっても、それなりの価格が保証されているのです。これはつまりコスパの悪さを物語っています。

 

もちろん、イタリア人、イタリア製のバイオリンで優れたもの、音の良いものは存在します。

 

しかし、イタリア人だからといって、イタリアで作ったからといって全てが良いバイオリン、音の良い楽器になるわけではありません。

 

皆さんがそう思われるのは、何となくストラディヴァリを始めとする、クレモナ黄金期のバイオリン製作の流れが現代までイタリアで続いていると錯覚しているからではないでしょうか。

 

ここ日本では、つくりの優れた、そして音も良いイタリア以外の国の楽器を持っていても、音大や音高に入ると、わざわざ、全く大したことの無いモダンイタリーに買い替えてしまうような方、あるいは先生に買い替えさせられてしまう方が多いご時世ですから、こんなことを私が言っても、なかなか聞く耳を持っていただけないかもしれませんが、一度イタリア以外のバイオリンを選択肢に入れることも考えてみてください。

 

もちろん、上記のように全てのイタリアンがダメなわけではなく、素晴らしいものもあります。私は決してイタリアンを否定しているわけではなく、むしろ、イタリアのバイオリンをリスペクトしています。だからこそ、イタリアの栄光、クレモナの栄光にそぐわないバイオリンが現在大手を振って高い値段で売られていることが耐えられないのです。

 

イタリアの真髄、クレモナ黄金期のバイオリンの真髄は、時代とともに各国に伝播していきました。現代のように飛行機が飛んだり、インターネットが無い時代は、実際に名器が動かない限りはそれを知る機会はなかったはずですので、それにはある程度の年月が必要でした。
しかし、イタリア以外の各国でも、人の移動、楽器の移動によってイタリアの名器に触れることができた職人、洞察力の鋭い職人、技術の高い職人によって、その後イタリアの名器に匹敵するバイオリンが産み出されていったのです。

 

バイオリンをお選びになる時には、どうかイタリア以外の国籍のバイオリンにも注目してみてください。