初心者用バイオリン(セット)は本当に初心者にとってためになるのか?

2018/07/10
初心者

巷で良く見る初心者用バイオリン(セット)が実は初心者のためにはならないというお話

 

初心者用と銘打って売られているバイオリンの多くは、実は初心者の方にとって、音の出しやすいもの、弾きやすいものばかりではありません。

 


それらは、バイオリンを始める方にとっつきやすいように、あるいは、もし挫折してバイオリンを途中でやめてしまってもたいして財布が傷まない、後悔の無いような価格設定、つまりできるだけ安く売ることしか考えずに作られたものが多いのです。

 

そのために考えることはコストダウンしか頭になく、肝心要の音質や音の出しやすさ、弾きやすさを追及して製作することなどは後回しにされてしまっているような楽器がほとんどなのです。
コストダウンの具体的な例は、安い材料、工程の機械化、スプレーでのニス塗りなどで、このように作られたバイオリンは、手工品ではなく量産品ということになります。

 

また多くの初心者用セットに付けられている弓は、上記の理由でできるだけ低コストに抑えようとするために、結果として低品質のものしか付けられないことが少なくありません。

 

初心者のボーイングはなかなか安定しないことが多いですが、もし、セットに付属していた低品質の弓で練習していたとしたら、ボーイングが上手くいかないのは、あながち腕の問題だけではないのかもしれません。その付属してきた粗悪な弓が原因なのかもしれないのです。

 

そのようなバイオリンや弓は、道具としての資質を著しく欠いていますから、全く購入に値しません。
初心者にとって、優しい、進歩を助けてくれる楽器ではなく、練習の妨げにしかなりません。百害あって一利なし。
効率的な練習、確実な進歩、上達を望むなら、まずは道具から見直さなくてはいけないのです。

そこで、弦楽器専門店が登場です。餅は餅屋で。初心者の方であっても、弦楽器専門店、バイオリン専門店の知識や経験が果たす役割は大きいと考えます。
むしろ、経験や知識が無い方だからこそ、確かな道案内が必要なのだと思います。

 

そもそも、バイオリンに初心者用も上級者用の区別はありません。価格は年代、産地、製作者などによってそれぞれ決まっているだけで、価格が安いものが初心者用で、ベテラン、プロは高額バイオリンということではないのです。

楽器や弓は演奏のための「道具」なのですから、いかなる価格帯においても、そして弾かれる方が初心者でも上級者でも、常にその「道具」としての資質、性能を満たしていなければなりません。

 

皆さまはきっと意外に思われるかもしれませんが、その「道具」としての資質というやつは、価格や国籍、製作者の知名度などと結びついていないことが少なくないのです。

 

ですから、皆さまに代わって、その性能を見極める眼、音を判断する耳、すなわちバイオリン、ヴィオラ、チェロの道具としての資質を判断する能力を持った人間が必要なのです。
その能力は毎日毎日ひたすら楽器を見続け、試奏し、その良し悪しを見極めることの繰り返しによってのみ得られます。その経験を積んだ者、それがまさに弦楽器サラサーテを始めとする『弦楽器専門店』、『バイオリン専門店』なのです。

ですから、どうか初心者の皆さま方にも、バイオリン専門店は敷居が高くて行きにくいとか、どうせ自分は初心者で最初は技術もないからと、気後れせずに、弦楽器専門店の門を叩いて欲しいのです。

決して、安易に量販店や楽天市場のようなネット販売で初心者用セットを買ってしまってはいけません。

 

弦楽器サラサーテは弦楽器専門店として培ってきたノウハウを生かし、たとえ低価格帯であっても手を抜くことなく、道具として適切なバイオリン、弓をお選びし、皆さまにご案内しております。なぜ、そうした方が良いか、なぜそれでは失敗してしまうかについて、丁寧にご説明しております。ですから初心者の方であっても気兼ねなくお問い合わせ、ご来店なさってください。