バイオリン・修理・はがれ・表板オープン・膠・ニカワ

2018/02/13
表板を開けたバイオリン

バイオリンの修理 表板を開け(オープン)ました

 

イタリアのモダンバイオリンですが、軽い雑音が出るのと、ネック横のパーフリングが汗で浮いてきたので、表板を開けて、古くなった膠(ニカワ)を綺麗に洗い、再び表板をしっかり膠で接着閉じました。

 

完全に、板が剥がれている場合は叩くと音が違うのですぐにハガレとわかるのですが、膠の接着がゆるんできていて、剥がれかけている場合は、叩いても典型的な音がするわけではなく、よくわからない場合があります。

今回の場合、どこから発生しているか、また常に出るわけでもない不規則に発生する雑音が気になることと、魂柱を外側に弾いた時にしっかしと止まる感覚が薄いことなどから、膠が古くなっている、緩んでいることを予測し、表板をオープンすることとなりました。

 

人間の手術と同様、バイオリンもわざわざ点検のためだけに、しょっちゅう表板をはずすわけにはいきません。ですから、このようなときを利用して他の部分で傷んだところがないか、またバスバーの交換の必要性がないかどうかを慎重に調べます。

 

表板は外からはよくわからない割れの修理が数か所ありましたが、どれも適切に処理されていたこと、バスバーも現状そのバイオリンの音色は悪くないことなどから、今回は内部に手を加えることなく、古くなったニカワをクリーニングして、再度表板を閉じるという作業にとどめました。

 

古くなったニカワを取り除き、表板がしっかりついた効果は、雑音が消滅したのはもちろんのこと、低音の音量、レスポンスが確実に向上しました。
これまで、今ひとつ低音がしっかりしなかったのは表板の接着が緩んでいたこと、それによって魂柱の力が抜けていたことが原因だったのだと思います。

 

下の動画から表板を開けた楽器の内部、表板の修理跡等をご覧になれます。