イタリアモダンバイオリンをお探しで音の良いものが無いとお悩みの方へ

2017/12/10
ドイツモダンバイオリンErnst Heinrich Rothの裏板

イタリアモダンバイオリンをお探しで良い音のバイオリンが見つからないとお悩みの方

すでに高い金額を出してモダンイタリアのバイオリンを購入をしたものの、音が固い、低音が響かない、弱音が貧弱などの不満をお持ちの方へのご提案があります

 

それらはモダンイタリアバイオリンにありがちな傾向なのです。

イタリアのモダンの時代のバイオリンは、板が厚く、そしてニスも厚く塗られたものが多く、それは質量の増加をもたらしています。

 

つまりバイオリンの板=振動板が重いために楽器として振動しにくくなっているのです。

 

ですから、微小な弓の動き、弱音に反応し辛く、そして、振幅の大きくなる低音の響きがやせてしまうのです。

 

低音の量感、響きが少ないと、楽器の響きのバランスは相対的に高音よりの音になってしまうので、キンキンと金属的に響いたり、硬い音となってしまうのです。

 

しかし、このような固い音色を、イタリアの音といって喜んでいらっしゃる方、これがイタリアの音なのだろうと信じてしまっている方も中にはいらっしゃるかもしれません。でもイタリアンオールドの持つ音色とは全然違いますよね。

 

同じモダンと呼ばれる時代でも、イタリア以外の国で作られた楽器は、イタリアのモダンバイオリンのような硬質の響きではない楽器が多いように思います。それはやはり、板の厚みやニスの厚さに起因するのではないかと思いますが、もしオールドイタリアンのふくよかな響きをバイオリンに求めるのでしたら、モダンの時代の楽器の場合、同じイタリアではなく、イタリア以外の国籍のバイオリンに求めた方がよろしいのではないかと私は考えております。

 

例えばそのひとつのサンプルとして、今回このドイツのモダンバイオリンをご紹介いたします。

ちなみに、この製作家のバイオリンは同じ名前でブランド化され、現在まで作られていますが、ここでご紹介いたしますのは1931年にこの現在のブランドの創始者Ernst Heinrich Roth 本人が製作したものになります。現在御茶ノ水のSバイオリンで売れられている同ブランドのバイオリンとは名前こそ一緒ですが、全くつくり、音の違うものと言って良いでしょう。

 

ドイツ モダン バイオリン Ernst Heinrich Roth 1931 Markneukirchen 試奏動画