ブルガリア製バイオリン・イタリア新作に匹敵するつくり、ニスの質感、音

2017/12/02
ブルガリア製新作バイオリン

これはイタリア新作バイオリンと全く区別がつきません

 Stepan Demirdjian 2017 (Bulgaria)試奏動画

 

現代のバイオリンづくりにおいては、どこで作るか、誰が作るかが問題ではなく、どのように作られているかが問題です。

それは、バイオリンは生まれてからこの200年~300年間、全く材質もかたちも変えずに来た、つまりピアノや管楽器のように、改良されることなく、進歩することなく、昔のままのかたちで作り続けられてきたからです。

「進歩することなく」というと聞こえが悪いですが、真実はピッチの変化、演奏スタイルの変化など時代の変化、演奏会場の大規模化などに応じてピアノや管楽器のようには進歩する必要がなかったと言うべきでしょう。

つまりバイオリンは400年以上前に突然現れ、すでにそのときに、進歩、改良の必要がないほど完成しつくされていたのです。

 

だとすると、良いバイオリン(のスタイル)とは、過去に作られたものであって、その姿をいかに忠実に再現するかにかかっているのです。

過去の名器、アマティ、ストラディヴァリ、グァルネリ・デル・ジェスなどのバイオリンのデータは今や門外不出のものではありません。

また、バイオリンの材料も、現代では、その樹木の生える特定の国や地域だけに限られたものではなく、全世界中で手に入れることができます。

 

そうすると、確かに400年前や300年前はある特定の国、地域、工房でしか良い楽器が産み出されなかったのかもしれませんが、今や、どういうかたち、つくりの楽器が良い楽器か、つまり良い楽器の何たるかは明らかになり、そのデータさえも手に入るようになったのです。

 

ですから、確かにイタリアはバイオリン発祥の地であり、また名工、名器を生み出した土地かもしれませんが、その名器のスタイルというものは、現代のように飛行機が飛んだり、インターネットがある時代ではなかったので、ある程度の時間は要しましたが、時代を追うごとに各国、各地に伝播していき、その中で研究熱心で、才能あふれる職人は、イタリア以外でも良い楽器を作り出すことができるようになっていったのです。

 

それでイタリア以外の国(この場合はブルガリアですが)でもイタリア流の良い楽器が産み出され、イタリアというブランド料がかからない分、それらの楽器は低価格で皆さまにご案内することができるのです。

 

イタリア新作に匹敵するつくり、ニスの質感、音は実際に動画でご確認ください