イタリア新作風の透明感のあるニスで仕上げた
中国製完全手工バイオリンです
現在の中国製手工バイオリンの多くは、オールド仕上げ、アンティーク仕上げとなっているものがほとんどになりました。
その一番の理由は、中国製バイオリンの主力市場がアメリカだということです。
アメリカではイタリア新作のようなクリアなニスで仕上げたバイオリンは好まれず、新作であっても、オールドバイオリンのような見た目が好まれます。それで、現在中国で作られるバイオリンのほとんどが、オールドフィニッシュのものとなっているのです。
また、このオールドフィニッシュはドイツ量産品のように、ニス塗りの際、スプレーの濃淡で陰影をつけるのでしたら手間がかかりませんが、いったん塗ったニスを剥がして、楽器表面に凹凸を出したり、摩擦によるニスの陰影を出すのは、手間がかかる仕事になります。
つまり、器用で、人件費の安い中国が優位に立てる分野でもあったのです。
そういうわけで、中国から日本に入って来るバイオリンも、オールド仕上げが主流になってしまったのですが、ごく少量ながら、イタリア新作のような仕上げ、フルヴァーニッシュの楽器も作っています。
ここでご紹介いたしますのが、その、今では見ることが少なくなってしまった、フルヴァーニッシュ仕様の中国製バイオリンなのです。
実はこのフルヴァーニッシュを綺麗に仕上げるのは相当に難易度の高い作業なのです。
ですが、現在の中国の技術はそれを難無くクリアしてしまっています。
私としては、現代中国の技術をもっとこのフルヴァーニッシュ仕上げのバイオリンでアピールしてもらいたいと思っています。
仕上げとともにその素晴らしいつくり、音は、ぜひ店頭でお確かめください。
それまでの間はこの動画でお楽しみになられてください。