バイオリンのサイズ、全長とはどこの長さでしょうか?測り方をご説明します

2017/10/21
バイオリンのサイズの測り方

ご自分の楽器をお持ちにならずに、バイオリンを試奏していただくと、弾いていただいた後に、バイオリンが自分の楽器よりも大き目だとか、小ぶりだとかそういう感覚的な表現を使われる方が結構いらっしゃいます。

 

しかし、私が実際に測ってみると、思っていたほどではなかったり、全く逆の結果であったりすることが多々あります。その原因は、まずは試奏の際に、ご自分の楽器を持って来られていないのできちんと大きさの比較ができずに、何となく感覚での感想を述べられてしまっているからなのです。

 

楽器のサイズは感覚でとらえるのではなく、まずは巻尺、メジャーできちんと測ってみることが大事だと思います。先ずは、必ずご自分の楽器の各部位の長さを測っておいて、良く把握(記憶)しておいてください。

測る部位としては、ボディサイズ(裏板のサイズ)、アッパーバウツ(上半身の一番広い部分)、ミドルバウツ(真ん中のくびれている部分)、ロウワーバウツ(下半身の一番広い部分)、弦長(駒から指板上部ナットまでの長さ)等々を測っておけば大丈夫です。

 

そして、楽器店で試奏した際に、楽器の鳴り方に起因する弾きやすさ、弾きにくさではなく、物理的なサイズが要因で弾きやすさ、弾きにくさが生じている場合は、その楽器のサイズをきちんと測って、その要因がどこの部位のサイズに因るものなのかしっかり確かめてみましょう。

 

ここではまず、ボディサイズ(全長)の測り方を動画でご説明いたします。

355㎜とか357㎜と言っているのは、いったいどこの長さなのでしょうか?動画でどこからどこまでを測るかをご説明しております。

次に標準とされるサイズですが、フルサイズのヴァイオリンでしたら350㎜から360㎜の間にあれば、まず問題の無いサイズと言えるでしょう。
クレモナ黄金期の名器のサイズは概して小さ目、351㎜-354㎜であることが多く、モダンイタリー時代の楽器は、イタリアでも357㎜前後であることが少なくありません。
フランスやドイツ、チェコの楽器はだいたい358㎜-360㎜くらいの楽器が一般的です。